久々に家のPCでの更新です。
最近は通勤途中の電車の中で携帯から更新してました。
おかげさまで、携帯でのタイピングが早い早い…( ´艸`)
ブログはやはり1日のまとめというか、その時に何を感じていたかの記録なので出来るだけ毎日したいんですけどねえ。
最近続いていますが、今日もまた心理学に絡んだネタです。
わたしが通っている心理学講座の衛藤先生の話を聞いたり本を読んだりするとイランのアッバス・キアロスタミ監督の『桜桃の味』という映画を思い出します。
1997年のカンヌ映画祭で『うなぎ』という邦画と一緒にパルムドールを獲得した作品です。
自殺願望をもつ男が主人公。
見た感じ、レンジローバーなんか乗っちゃっているのできっとイランでは裕福な人なのではないかと推測できます。
けど、その男性は不幸で死にたいと思ってます。(具体的な理由は描かれてない)
車でウロウロして人を物色して目に付いた人を車に乗せてあるところに連れて行きます。
木の下に穴が掘ってあります。
その穴を見せながら車に乗せてきた人に、「明日の早朝ここに来たら、穴に自分が入っているので、声を2回かけて自分が動かなければ土をかけてくれ。仕事が終ったら車の中にあるお金を持って行っていい」と依頼します。
彼が頼みたかったのは「自殺」のお手伝い。
もちろんみんな嫌がるけど、最後ようやく承諾してくれる老人に出会います。
昔自分もそう思うことがあったから君の気持ちがわかると。
頼んだ男も承諾されて驚くんだけど(頼んどいて何それって感じですが…)、その老人と別れた後また話をしに行くと、その老人はこんなことを話し始めます。
かつて自分も、楽になるためには死ぬしかないと思い、妻を残して自殺をしようとしたことがあった。
早朝まだ暗いうちに家を出て、木に縄をかけようとしたけどうまくいかないので、木に登って縄をかけようとした。
そしたら、桑の実が手に触れたので、それを食べてみるとすごく美味しかった。
そのうちに太陽が昇り、目の前に広がる朝陽に照らされた自然の美しさに感動した。
学校に行く子供達が現れて木の実を落としてくれとせがむので木を揺すって落としてやったらすごく喜んでくれて自分も嬉しかった。
桑の実を持って家に戻って妻に食べさせてやったら、美味しいと言って食べてくれた。
そして、死ぬことを忘れてしまった。
桑の実に救われた、と。
更に、あるトルコ人の笑い話を持ち出します。
あるトルコ人が病院に行って「指で身体を触るとあらゆるところが痛い」と訴えた。
診察した医師はトルコ人に告げます。
「君の身体は悪くはない。ただ指が折れているだけだ」と。
自殺しようとしている君の身体は悪くない。
ただ考え方が悪いだけだ。
君が見ていると思っている世界は本当の世界ではない。
見方を変えれば世界が変わる。
幸せな目で見れば、幸せな世界が見える、と。
そんなことを言われて揺れはするものの、結局自殺したのかしてないのかはっきりしない感じで映画は終わります。
90分程の映画で、辛気臭い生気のないおじさんがひたすら出てくるし、BGMもなく、セリフも少なく、クライマックスがどこなのかわからない映画で、たいていの人は睡魔に襲われて舟漕いじゃうんじゃないかと思うくらいですが( ´∀`; )、わたしはその映画を見て感動しました。( ´つω;` )
「見方を変えれば世界が変わる」
心理学を勉強して知ったのですが、心理学でこういう理論(ゲシュタルト)があるんですよね~。
自殺願望を抱く男性を主人公においてるけど、映画のテーマはいたってシンプル。
『生きるって素晴らしい!』ってこと。
足りてない部分だけに気をとられて自分が不幸だと思い込んで、実際には周りに存在しているはずの幸せを享受せずに、全てをあきらめてしまうなんて勿体無いってことです。
あの映画を観た時はいい映画だなあと思った程度でしたが、衛藤先生の話を聞くうちに「あの映画だ~~!!」と驚きました。
こういう映画が賞を取るからカンヌは馬鹿にできん!と思いました。
衛藤先生の話も聞いていると、『生きるって素晴らしい』っていう気持ちがすごく伝わってきます。
心理学って奥が深いけどとってもシンプル。
現代人の思考が複雑すぎるだけなのかもしれませんね。
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