蜷川幸雄演出『身毒丸』2011年9月12日ソワレ/梅田芸術劇場シアタードラマシティ
遅くなりましたが、感想です。
藤原竜也が15歳でデビューしてからず〜〜〜っと演じ続けてきた『身毒丸』。
何度も再演されてきたけど、15歳の時にやってた『身毒丸』ほどすごいものはなかったと思ってる私。
そして、『身毒丸』はわたしにとって、演劇の世界に嵌ってしまったきっかけとなった作品で、どんな作品もこの舞台を観た時の衝撃を塗り替えることができないくらい今でもわたしにとって特別な作品です。
キャストが新しくなると聞いて、「観たい」と思ったと同時に「はぁ。。。寂しいな。。。」と思ってしまいました。
わたしにとっては15歳の藤原竜也が演じるしんとくが『身毒丸』だから。
でも、そんな過去にとらわれてはいけないですよね。
新しくなるからには、それを楽しまないと勿体無いです。
ちょっと今までの身毒丸とちょっと違っていたので、感想は一応隠しておきます。
あ、そうそう。
劇場でたら、遙洋子がいてました。
観に来てたみたいです。
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今までと違って、舞台が始まる前からステージ上に真っ赤な『身毒丸』の電飾文字が浮かび上がってました。
タイトル出すなんて、蜷川演出では珍しいです。
今回は評判とか何も見ずに言ったのですが、観てびっくり。
撫子が主役になっていました。
大竹さん演じる撫子は、とても可愛くて、優しくて、でも自分勝手で、色っぽくて、こういう女の人って男の人弱いよねと思わせる感じでした。
「リアルにこういう女の人いるわ」と思える感じの女性。
共感しやすい感じになってたかな。
呪い殺すというのは共感できないけどw、女としての願望、母親としての願望、願望がかなえられない苛立ちとか、そういうのがとっても共感しやすかったです。
撫子がクローズアップされている分、しんとくの影がちょっと薄い気がしました。
しんとく演じる矢野君の草食男子的な風貌が、現代的なイケメンでいままでのしんとくとはちょっと違うイメージ。
でも、初めての舞台にしては、のろいをかけられるシーンでは、鬼気迫る迫力で演じていました。
白目剥いてて、かなり怖かった。
今回の身毒丸で一番驚いたのが、ラストが今までと全く違っていたことです。
今までの演出では撫子としんとくが町の雑踏の中に消えていくようになっていたと思うのですが、今回は、2人が散々憎しみあってようやく理解しあえた後、撫子というか地下の世界に住む母親達にしんとくが食われてしまうのです。
武田真治ver.の時に出版された本があるのですが、その本のラストに近かったです。
天井桟敷でやってた時はこういうラストだったみたい。
ダイレクトに表現してしまうと、
しんとく→もう一度僕を妊娠してください
撫子→しんとくを胎内(腹の中)に入れる
って感じになるんでしょうか?
今までの身毒丸と比べると、余韻がないというか、衝撃的というか、身も蓋もないというかw、撫子としんとくの行く末を明確に見せられた感じになっていました。
まあ、今までの身毒丸を観てる人達も、あの2人が幸せな生活を送っているとは誰も思ってなかったと思いますけどね。
最後、放心状態の後色っぽく満足げな顔をした撫子の表情を観て、ちょっとゾッとしました。
これはこれでありなラストだったと思います。
わたしが一番好きなシーンの、仮面売りのおじさんから借りた穴で地下の世界に行くシーン。
やっぱりここは最高にドキドキします。
音楽が大きくなっていくにつれて、しんとくと一緒に心臓がドンドン早くなる。
真っ暗な中から、浮かび上がるたくさんのろうそく。
緊張が解き放たれて、鳥肌が立つくらい美しいシーンです。
このシーン見ると、「ああ、身毒丸好きだわ」と思うのです。
わたしだけでしょうか?
まとまりのない感想ですが、総合的には面白かったです。
わたしが観たのは大阪の千秋楽でしたが、5時半始まりだったからか、3割位が空席だったのが残念でした。
5時半からだと会社帰りの人は観にこれないもんね。
キャストが変わったのも理由のひとつかもしれませんね。
今回の舞台行くかどうか最後まで悩んでたのですが、Rayさんにチケットを譲っていただいて、行くことになりました。
本当に良い座席のチケットを譲っていただきまして、本当にありがとうございました。m(_ _)m
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