宮本亜門演出『キャンディード』
3連休の終わりです。
とっても悲しい気分…。
ま、明日になってしまえば、そんなのも忘れてしまうのでしょうが…。
明日はちょっとした(ちょっとしたというより結構大きいのだけど)打ち合わせがあるので、明日の準備です。
どうなるのかなあ。
というか、またもめそうだなあ…。
ま、そんな時もあるかな、と割り切って臨むつもりでいます。
この週末部屋の片づけをしている時に、何年か前にWOWOWで放送があった宮本亜門演出の『キャンディード』のDVDを発見。
DVDを入れているケースを探してもなくって、ずっと探していたのですが、DVDを入れているケースの隣のケースにありました。
こういう片付けの仕方をしているから、ものをよくなくすんですよね〜
探していたものを見つけてしまうと見たくなるのが人間です。
明日の準備の休憩に、見てしまいました。
この作品、宮本亜門演出の作品の中ではだんとつ好きです。(というほど見てないけどね)
ストーリーを簡単に説明しますと…。
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【ストーリー】
青年キャンディード(素直という意味があるらしいです)は親戚の裕福な家に住んではいるのですが、私生児で可愛そうな扱いを受けています。
彼は、先生であるパングロスから「この世の出来事はすべて神の意志によるものだ。だから何事も、自然といちばんよい方向へと導かれてゆくものだ」と楽観主義について教えられます。
世間知らずで素直な(おばかとも言う)キャンディードは、人生とはそういうものだと信じます。
キャンディードがお世話になっている家の娘クネゴンデといい関係になり、それがばれてしまい、家を追い出されてしまいます。
その後は、次から次へと災難が起こるわ起こるわ。
何があってもパングロスの楽観主義を思い出し、「この世は最善の世界なんだ」と信じ、明るく生きていきます。
その中で、クネゴンデと再会したり、また生き別れになったり、お金持ちになったり、お金を騙し取られたり、また棚ボタでお金持ちになったかと思ったら、最後はあんなに愛し求めたクネゴンデに財産を騙し取られそうになったり…。
何が起こっても挫けなかったキャンディードですが、あんなに愛し信じたクネゴンデから詐欺にあったことで、絶望の淵に落とされます。
さまよう彼はある一軒の農家を見つけ、そこに住む老人と出会います。
優しく何があったのか聞く老人に「いろんなことを体験してきたけれども、この世は善なのか悪なのかわからなくなってしまった。これからどうすればいいのか…」と悩むキャンディードに老人は「まず考えることをおやめになっては?この抜けるような青空や、風が木々や葉っぱをなでて行くのを見たことがおありか?」と、自分の周りに存在しているものに感謝し、楽しみ、余計なことは考えずに、働いてひたむきに生きるように諭します。
そして、働くことで、3つの不幸を遠ざけることができる。
3つの不幸とは、「貧乏と贅沢と愚かな考え」だと言われ、そこでキャンディードは今までの自分の生き方がいかに愚かであったかに気づきます。
そして、最後彼は、クネゴンデを許し、共に「家を建て、薪を割り、庭を育て耕して生きていく」ことを決意します。
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ラストシーンの手前まで、かなりしっちゃかめっちゃかで結構笑えるのですが、「これは一体どこまで行くんだろう」と思っていたところに最後ガッツンとやられる感じです。
最後のシーンは、いろいろ経験をしてひたむきに生きていくことの大切さを知ったキャンディードが選んだ人生(クネゴンデと共に自分達の力で生きていくこと)を決意し、誓い合う2人を祝福するように、登場人物の合唱で終わります。
この一連の歌が素晴らしい。
いつ見てもここで絶対泣けます。
タイトルロールは、アッキーこと中川晃教くん、クネゴンデにオペラ歌手の幸田浩子さん、パングロスにミュージカルでは有名な岡幸二郎さん、この作品の進行役的な役割ヴォルテールの辰巳琢郎さん、元劇団四季の坂元健児さん、他にも、オペラ出身の方がキャスティングされていました。
音楽は『ウェストサイド・ストーリー』のバーンスタイン作曲。
音楽は素晴らしいし、キャストもオペラ出身、ミュージカル出身の人が多く、歌える人ばかりで大満足な作品でした。
(歌えない人は歌が少なかった気がします)
気になった点といえば、アッキーがいつも歌いなれている歌い方じゃなかった(オペレッタ的な感じだった)ので苦しそうだったのと、相手役がオペラ歌手ときたもんだから、やはり声量や声質に差を感じてしまったかなという所です。
それでもやっぱり、あの歌をあそこまで歌えるのはすごいな〜と思いました。
若くて世間知らずなキャンディードがいろいろ経験して、人生を知り、女を知り、自分の足で、自分の意志で人生を歩んでいけるように成長した姿は、活き活きしていてとても清清しくてよかったと思います。
生でみたかったな〜。
やっぱりミュージカルは、オペラやミュージカルで育った人がやった方がいいなあと思える作品です。
亜門さんには、またこういう作品を演出して欲しいですねえ。
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